FXは為替レートの値動きが多いので、いつ売買すれば良いのか判断が難しいですよね。
しかしFXのチャートを上手に活用すれば、売買するタイミングがわかるようになります。
この記事では、FXチャートの中でも日本発祥の手法である「ローソク足チャート」の見方、使い方について解説します。
FX初心者で、これから取引の勝率を上げていきたい人はぜひ最後までお読みください。
※本記事の価格は全て税込みです。
FXチャートの種類
画像引用元:楽天証券
FXチャートとは、過去から現在までの為替の値動きを表にあらわしたもので、一般的には、縦軸が価格、横軸が時間を表しています。
FXチャートは主に以下の3種類があり、それぞれ利用するメリットが異なります。
- ラインチャート
- バーチャート
- ローソク足チャート
ラインチャートとは、終値(※)を結んで折れ線グラフにしたものです。
長期の流れが見ただけでわかるので、複数の銘柄を比較するときなどによく使われます。
バーチャートは、4本値(※始値、終値、高値、安値)を、縦と横のバー(棒)で表したものです。
シンプルで見やすいため、相場のトレンドを確認しやすいのがメリットです。一般的に、欧米でよく使われています。
日本で最もよく利用されているのは、ローソク足チャートです。
(※終値など4本値やローソク足チャートについては、次の章で解説します。)
ローソク足チャートとは?
ローソク足チャートとは、一定期間の4つの値(始値、終値、高値、安値)をローソクのような形で表し、時系列で並べたチャートのことです。
ローソク足チャートを活用すると、過去の値動き、売買ポイント、現在の相場環境などが一目でわかります。
場合によっては、投資家心理さえ把握できることも。
ここでは、ローソク足チャートの見方や使い方をについて解説します。
ローソク足チャートの見方
ローソク足チャートは、一定期間の4本値(始値、終値、高値、安値)のデータから成り立っています。
4本値とは、以下の値を指します。
- 始値(はじめね):一定期間において、最初に取引が成立した価格
- 終値(おわりね):一定期間において、最後に取引が成立した価格
- 安値(やすね):一定期間において、最も安い価格
- 高値(たかね):一定期間において、最も高い価格
ローソク足は「陽線(ようせん)」と「陰線(いんせん)」があり、「陽線は始値より終値が高いこと」「陰線は始値より終値が安いこと」を表しています。
ローソク足は、始値と終値で囲まれた部分である実体(胴体)と、実体(胴体)から伸びる上下の線(ヒゲと言います)で構成されています。
ローソク足の実体やヒゲの長やローソク足の並びを見れば、市場の投資家心理さえもある程度把握が可能です。
ローソク足チャートの時間軸
ローソク足チャートは、ローソク1本分がどれくらいの時間の値動きを表しているかという「時間軸」で呼び方が異なります。
主なローソク足の種類と使い方を紹介します。
ローソク足の種類
ローソク足の種類はFX会社によって多少違いがありますが、主に以下の通りです。
- 1分足(5分足・15分足・30分足などもある):1分間の値動きを表す
- 1時間足(4時間足などもある):1時間の値動きを表す
- 日足:1日間の値動きを表す
- 週足:1週間の値動きを表す
- 月足:1ヵ月間の値動きを表す
- 年足:1年間の値動きを表す
1分~30分足や1時間足・4時間足などは短時間足と呼ばれ、売買するポイントを探るときに活用します。
日足・週足・月足・年足など長い時間軸のローソク足は、主に全体的な相場観を見たいときに活用します。
取引手法の種類
FXは主に4つの取引手法がありますが、取引手法によって活用するローソク足の時間軸が異なります。
まずはFXにおける4つの取引手法を紹介します。
- スキャルピング
短時間に何度も売買を繰り返す手法・数秒から数分の短時間で小さい利益を積み重ねる - デイトレード
数十分~1日の間で売買を行う手法・ポジションを翌日に持ち越さない - スイングトレード
数日~数ヶ月間で売買を行う手法 - ポジショントレード
数ヶ月~数年で売買を行う手法
ローソク足の活用方法
FXは取引手法ごとに、主に利用するローソク足の時間軸が異なります。
取引手法ごとに、どの時間軸のローソク足を使えば良いかまとめてみました。
時間足の種類 | 適している取引方法 | 活用方法 |
---|---|---|
1分足・5分足 | スキャルピング | 細かい値動きを見る 売買ポイントを見極めるのに使用する |
15分足 | デイトレード | 前日から当日にかけての値動きを把握し、売買ポイントを見極めるのに使用する |
1時間足 | デイトレード | 直近1週間のトレンドを把握し、売買ポイントを見極めるのに使用する |
4時間足 | デイトレード | 大きなトレンドを把握し、売買ポイントを見極めるのに使用する |
日足 | デイトレード スイングトレード | 短期足でチャート分析を行う前に、数日〜1カ月間の値動きを確認するのに使用する |
週足 | スイングトレード | 長期的なトレンド判断・相場判断に使用する |
月足・年足 | ポジショントレード | 長期トレンドの発生やトレンドの転換を捉えるのに使用する |
初心者向けローソク足チャートの使い方
ローソク足の形や、チャート上におけるローソク足の並びを見ただけで、売買タイミングを見つけることも可能です。
ここでは売買タイミングを見つけ方のうち、主なものを紹介します。
ローソク足の形で相場を分析する
ローソク足の形を見るだけで、ある程度相場変更の兆候をつかむことができます。
以下の5パターンは、ローソク足の基本形になるので、ぜひ覚えておいておいてください。
①大陽線・大陰線
- 大陽線:ほかと比べて実体部分が大きい陽線
- 大陰線:ほかと比べて実体部分が大きい陰線
大陽線は、買いの勢いが続くサイン。大陰線は、売りの勢いが続くサインを示しています。
②小陽線・小陰線
- 小陽線:実体とヒゲ部分が短い陽線
- 小陰線:実体とヒゲ部分が短い陰線
どちらも、相場が迷っている状況を示しています。
③上影陽線・上影陰線
- 上影陽線:上ヒゲが長く実体が下方にある陽線
- 上影陰線:上ヒゲが長く実体が下方にある陰線
どちらも高値圏で出現した場合は、下落への転換サインになります。
また安値圏で上影陽線が出ると上昇のサインと考えられます。
④下影陽線・下影陰線
- 下影陽線:下ヒゲが長く実体が上方にある陽線
- 下影陰線:下ヒゲが長く実体が上方にある陰線
どちらも安値圏で出現した場合は、上昇への転換サインになります。
一方、高値圏で下影陰線がでたときは下落のサインと言われています。
⑤十字線
始値と終値が同じ価格であるため、実体部分が形成されていない形状です。
売りと買いが拮抗している状態を示しており、相場転換が起こる可能性があります。
上昇トレンド時に十字線が現れた場合は、下落のサイン。下降トレンド時に十字線が現れた場合は、上昇のサインになります。
ローソク足2本、3本の組み合わせから相場を分析する
複数のローソク足の並びを見て、相場を分析する方法があります。
多くの手法がありますが、基本的な分析方法を2種類紹介します。
はらみ線、つつみ線
古いローソク足が、新しいローソク足を包み込んでいる「はらみ線」は、トレンドの転換を示すとされています。
反対に、古いローソク足を新しいローソク足が包み込む形を「つつみ線(抱き線)」と言います。
つつみ線(抱き線)は、陰線が陽線を包むと下落サイン、陽線が陰線を包むと上昇サインとなります。
三山(さんざん)、三川(さんせん)
上昇相場で上げ下げを3回繰り返して三つの山を形成した三山は、相場が下落に向かう可能性が高いとされています。
反対に、下落相場から上げ下げを3回繰り返して三つの谷を形成し三川は、相場が上昇に向かう可能性が高いとされています。
このように、ローソク足のならびの特徴から、様々な情報を読み取ることができます。
ローソク足チャートはダマしもある
ここまでローソク足を使ったチャート分析方法を紹介しましたが、必ずしもマニュアル通りに動くとは限らず、ダマしが生じることがあります。
ダマしとは、理論上の値動きとは逆の方向に相場が動くことをいいます。
FXトレードの勝率を上げるためには、このダマしを避けることが必要です。
ダマしを避ける方法
相場の分析をローソク足チャートだけに頼っていると、ダマしに遭うリスクが高くなります。
ダマしを避けるために、ローソク足チャートだけではなく、テクニカル指標も組み合わせて分析しましょう。
テクニカル指標の種類
テクニカル指標は、トレンド系とオシレーター系の2種類に分類されます。
代表的なテクニカル指標は以下の通りです。
トレンド系テクニカル指標
いつ売り買いすれば良いのかを判断するテクニカル指標をトレンド系テクニカル指標と言います。
- 移動平均線:一定期間の価格の終値の平均値をつないだもの
- ボリンジャーバンド:移動平均線と、その上下にある標準偏差を表す線で構成される指標
- 一目均衡表:ローソク足と5本の補助線を使うことで相場のトレンドを見る指標
移動平均線は線の傾きや、短期移動平均線と長期移動平均線との位置関係などから相場の勢いやトレンドを判断できます。
【移動平均線】
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ボリンジャーバンドは、バンド(帯)の幅の変化や平均線の傾きなどを見ることで、視覚的に分かりやすい分析が可能です。
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一目均衡表は、転換線、基準線、遅行スパン、先行スパン1、先行スパン2の5つの要素から、今後の方向性を視覚的に予想できます。
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オシレーター系テクニカル指標
相場の強弱を把握するためのテクニカル指標がオシレーター系テクニカル指標です。
- RSI、ストキャスティクス:相場の買われすぎ、売られすぎを判断するためのテクニカル指標
- MACD:移動平均線をベースにしたテクニカル手法
RSIやストキャスティクスは相場の強弱が数値化されていてわかりやすいのが特徴です。売買の転換点が初心者でもわかりやすいメリットがあります。
【ローソク足チャートとRSIの組み合わせ】
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【ローソク足チャートとストキャスティクスの組み合わせ】
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MACDは、2つの移動平均線から相場の強さが簡単に理解できます。そのため、トレンドの把握や売買の転換点を知るのに適しています。
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FX取引にはFXチャートの活用が必須
FXで利益を上げるためには、FXチャートを活用して相場分析を行うことが重要なプロセスになります。
FXチャートで最もポピュラーなのは、ローソク足チャートです。
ローソク足チャートは、ローソク足の形状や複数のローソク足の並びからトレンドの傾向を読むことができます。
ただしチャートだけではダマしに遭うなど、理論通りには動かない可能性もあります。
ダマしを回避して取引の勝率を上げるためには、テクニカル指標も組み合わせて相場を分析することが大切です。