イーサリアムクラシック(ETC)は、2016年にイーサリアム(ETH)から分岐する形で誕生した仮想通貨(暗号資産)です。
イーサリアム(ETH)と同じような機能を備えており、家電などをインターネットに接続するIoT(アイオーティー)分野での活用を目指して開発が進められています。
この記事では、仮想通貨(暗号資産)「イーサリアムクラシック(ETC)」の動向と将来性、仮想通貨取引所での選び方などを解説しています。
※本記事は2023年1月4日時点の公開情報に基づきます。
※本記事の価格は全て税込みです。
イーサリアムクラシック(ETC)とは
イーサリアムクラシック(ETC)は、2016年にイーサリアム(ETH)から分岐して誕生した仮想通貨(暗号資産)です。
スマートコントラクトなどイーサリアム(ETH)と共通する部分もありますが、独自の機能が次々と追加されており、今後の発展が期待されています。
イーサリアムクラシック(ETC)の特徴
まずはじめに、イーサリアムクラシック(ETC)が、どのような仮想通貨(暗号資産)なのかを解説します。
以下がイーサリアムクラシック(ETC)ならではの3つの主な特徴です。
- The DAO事件により誕生
- IoT分野での活用
- 発行上限がある
The DAO事件により誕生
イーサリアムクラシック(ETC)は2016年に発生したThe DAO事件をきっかけに、イーサリアム(ETH)から分裂する形で誕生した仮想通貨(暗号資産)です。
The DAO事件では事態を収拾するために開発チームが介入し、イーサリアム(ETH)の取引記録をハッキング前の状態に戻すアップデートがおこなわれました。
この解決策が「特定の管理者ではなく皆で物事を決める」という仮想通貨(暗号資産)の理念に反するという意見も出たため、元のデータを引き継いだイーサリアムクラシック(ETC)が誕生しました。
IoT分野での活用
イーサリアムクラシック(ETC)は、イーサリアム(ETH)との差別化を図るため、IoT(アイオーティー)分野での活用を目指して開発が進められています。
IoTは「Internet of Things」の略称。「モノのインターネット」と訳され、家電などをインターネットでつなぎ生活を便利にする技術として注目されています。
発行上限がある
イーサリアムクラシック(ETC)は、ビットコイン(BTC)と同様に、発行上限が定められています。
発行上限は約2億1000万ETCから約2億3000万ETCで、現時点では発行上限の6割にあたる約1億3800万ETC※が発行されています。
※発行量は2022/1/4時点
イーサリアムクラシック(ETC)とイーサリアム(ETH)の違い
イーサリアムクラシック(ETC)とイーサリアム(ETH)の主な違いは、下表のとおりです。
比較項目 | イーサリアムクラシック(ETC) | イーサリアム(ETH) |
---|---|---|
市場規模 | 小さい | 大きい |
発行上限 | あり | なし |
コンセンサスアルゴリズム | PoW | PoS |
市場規模
イーサリアムクラシック(ETC)とイーサリアム(ETH)の市場規模には大きな差があります。
2022年12月時点の仮想通貨(暗号資産)の時価総額ランキングでは、イーサリアム(ETH)はビットコイン(BTC)に次ぐ第2位(約19兆円)。
しかし、イーサリアムクラシック(ETC)の時価総額は第25位(約2,770億円)と、約70分の1程度しかありません。
発行上限
イーサリアム(ETH)には発行上限がありませんが、イーサリアムクラシック(ETC)は発行上限が定められています。
イーサリアムクラシック(ETC)は、500万ブロックごとにマイニング報酬が約20%減少するという違いもあります。
コンセンサスアルゴリズム
イーサリアムクラシック(ETC)とイーサリアム(ETH)は、コンセンサスアルゴリズムも異なります。
以前はどちらもPoW(プルーフ・オブ・ワーク)という方式でしたが、イーサリアム(ETH)は2022年9月のアップグレードでPoS(プルーフ・オブ・ステーク)に変更されました。
イーサリアムクラシック(ETC)のチャートと価格
ここでは、イーサリアムクラシック(ETC)のチャートと直近の価格について解説します。
2023年1月4日時点のイーサリアムクラシック(ETC)の価格は約2,092円。
2021年5月にはアメリカの投資アプリ「ロビンフッド」の流行などで、過去最高となる約14,000円まで高騰しましたが、その後は下落傾向が続いています。
以下のような出来事が、下落の主な要因として考えられます。
- ロシアによるウクライナ侵攻
- 欧米の政策金利の上昇
- 大手仮想通貨取引所FTXの破綻
イーサリアムクラシック(ETC)の今後の相場と将来性
ここでは、イーサリアムクラシック(ETC)の今後の相場と将来性について、4つのキーワードから考えていきます。
- 仮想通貨市場の混乱
- 世界経済の動向
- イーサリアムマージの影響
- 技術の発展
仮想通貨市場の混乱
2022年11月、世界規模の大手仮想通貨取引所「FTX」の経営破綻という衝撃的なニュースが流れました。
この影響により、イーサリアムクラシック(ETC)を含む仮想通貨(暗号資産)の価格は大幅に下落してしまいました。
世界経済の動向
イーサリアムクラシック(ETC)などの仮想通貨(暗号資産)は、世界経済の動向にも大きく影響を受けます。
2022年はウクライナ戦争などによるインフレを抑えるため欧米が利上げを実施。株と同様に仮想通貨(暗号資産)の価格も下落傾向が続いています。
イーサリアムマージの影響
2022年9月、イーサリアム(ETH)の大型アップグレードThe Merge(マージ)が完了しました。
これにより従来のイーサリアム(ETH)用マイニング機器が使えなくなったため、これらの一部はイーサリアムクラシック(ETC)用になるものと想定されます。
技術の発展
イーサリアムクラシック(ETC)は、家電などをインターネットに接続するIoT(アイオーティー)分野での活用を目指して開発が進められています。
また、サイドチェーンの実装も目指しており、これらが実現すればイーサリアムクラシック(ETC)価格の上昇も期待できるでしょう。
イーサリアムクラシック(ETC)の購入方法
2023年1月現在、イーサリアムクラシック(ETC)は以下の仮想通貨(暗号資産)取引所で購入できます。
- bitFlyer
- Coincheck(コインチェック)
- DMM Bitcoin(ビットコイン)
ここでは仮想通貨取引所「bitFlyer」を例に、イーサリアムクラシック(ETC)の購入方法を解説します。
- STEP.bitFlyerのアプリにログインして「販売所」をタップ
- STEP.画面下にスクロールして「イーサリアムクラシック(ETC)」をタップ
- STEP.取引画面で「買う」をタップ
- STEP.購入額を入力して「買い注文に進む」をタップ
- STEP.購入額を確認して「買い注文を確定する」をタップ
- 注文完了
イーサリアムクラシック(ETC)のよくある質問
取引所 | 最小購入価格 |
---|---|
bitFlyer | 1円 |
Coincheck | 500円 |
DMM Bitcoin | 約220円(2023/1/4) |
イーサリアムクラシック(ETC)は新技術の開発に要注目の仮想通貨
- The DAO事件により誕生
- IoT分野での活用
- 発行上限がある
イーサリアムクラシック(ETC)は、イーサリアム(ETH)から分岐する形で誕生した仮想通貨(暗号資産)です。
基本的な機能は共通していますが、IoT分野での活用やサイドチェーンなど、新技術の開発に要注目の仮想通貨です。
これらが実現すればイーサリアムクラシック(ETC)の普及がさらに進み、価格の上昇も期待できるため、今後も目が離せません。
イーサリアムクラシック(ETC)が気になる方は、ぜひ取扱いのある仮想通貨(暗号資産)取引所で口座開設をしてみてください。